ASAGAYA SPIDERS OFFICIAL
 

 阿佐ヶ谷スパイダースは96年の旗揚げから、毎回キャストを集めて新作を発表する「演劇プロデュース・ユニット」として活動してきました。これは作品の多様性を高めるためには実に最適な形態であったと言えます。「劇団」と称していなかったからこそ、多くの方々と創作をする機会を得、20年間という年月解散することなく続けて来られたのかもしれません。
 
 ですが、沢山の人に支えられ活動してきたこの20年間で<演劇>を取り巻く状況は大きく様変わりし、同様に我々の思考も変化しました。より「過激」に自分たちの理想を追い求めるため、<より自由に><より幅広く>活動を展開していくために、2017年5月、満を持しあえて「劇団」として活動していくこととなりました。
 
 「劇団」というかつて抱いていた堅苦しいイメージの集団を目指すわけではありません。緩やかに繋がっているような我々なりの新しいカタチを模索します。俳優だけでなく裏方も含め新たなメンバーも迎えました。これらも徐々にメンバーを増やし拡大していくつもりでもあります。創作コミュニティとしての「劇団」を築いてゆきます。これまで通りの演劇公演は勿論劇団の活動の中心となりますが、これまで行ってこなかったワーク・イン・プログレスなども取り入れ、活動の形態を広げてゆきたいと考えています。
 
 創作コミュニティとしての「劇団」というものが果たしてどう航海してゆくのか。楽しみにしていただければ幸いです。
  
2021年8月追記】
 
 2017年に劇団化した阿佐ヶ谷スパイダースは以降、『MAKOTO』(作・演出 長塚圭史/2018年)『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』(原作 八世鶴屋南北 作・演出 長塚圭史/ 2019年)『ともだちが来た』(作 鈴江俊郎・演出 中山祐一朗/2020年)と毎年様々なスタイルで上演を重ねてきました。
 
 新国立競技場の建設が進む渋谷を舞台に、死んだ妻の思い出を破壊のエネルギーに変える男の暴走を描いた『MAKOTO』。コクーン歌舞伎の番外編として2009年に書き下ろしたものの上演されることのないまま10年忘れられていた『桜姫東文章』を戦後に置き換えた『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』は、音楽家・荻野清子氏の作曲・構成により、劇中音楽を全て俳優と裏方スタッフで演奏するというスタイルで上演しました。
 
 そして昨年末は鈴江俊郎氏の傑作『ともだちが来た』を中山祐一朗の演出でお届けしました。新型コロナウイルスの影響で厳しい制限の中の上演、またヨーロッパ企画から客演を招くという新しい試みもありました。劇団化したのに客演を呼ぶのかという批評も頂きました。しかし集団は容易に他者との境界線を設けます。もちろんそのことで内部の結束は自然と強まりますが、私たちが思い描く創作の村のような、土地を持たない広場のような阿佐ヶ谷スパイダースが閉ざされてしまいかねません。『ともだちが来た』は多様な公演形態を模索していく大きな入り口となりました。プロデュースユニット時代の2003年に上演した作品の再構築というスタイルも素晴らしい発見の連続でした。
 
 

 
 

  

 
阿佐ヶ谷スパイダース

070-4136-5788
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