ともだちが来た
ある夏の日、<友>が<私>を訪ねてくる
…登場人物はその二人だけ。
長い長い別れ話が始まった。
■ものがたり
蒸し焼きにされそうなある夏の日。畳の上で部屋着姿のまま床にはいつくばる「私」の前に、高校時代の同級生「友」が現れる。話を聞くと、自転車に乗ってずいぶん遠くから走ってきたという。久しぶりの再会に喜ぶ二人は、じゃれあうように会話を楽しむ。しかし、ふとしたはずみで出る「友」の言葉は、二人の間には埋めることのできない大きな溝が横たわっていることを気付かせる。「友」は言う、「俺のこと忘れないでいて欲しいんだよ」二人の長い長い、別れ話が始まる-。
【作】鈴江俊郎
【演出】中山祐一朗
【出演】長塚圭史 伊達暁
■ザ・スズナリ 2003.12.17-30
■「ともだちが来た」とは?
初演は1994年8月、京都・アートスペース無門館にて上演された。鈴江俊郎はこの作品で、1995年第2回OMS <扇町ミュージアムスクエア>戯曲賞・大賞を受賞する。1997年にOMSプロデュースで行われた公演では、演出は岩松了、出演は吹越満とオーディションにて選ばれた中山祐一朗であった。