お久しぶりのご挨拶

 
 
 2017年に劇団として生まれなおした阿佐ヶ谷スパイダース。『MAKOTO』『桜姫~燃焦旋律隊殺於焼跡~』に続いての作品は劇作家鈴江俊郎氏の代表作のひとつである『ともだちが来た』を上演します。
 実はこの作品は17年前の2003年12月に下北沢ザ・スズナリに於きまして演出を中山祐一朗、出演を伊達暁と私の同級生コンビで上演したのですね(ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが伊達と私とは高校2年3年と同じクラスの同級生でございます)。いや懐かしい。青春と死の芳香を放つこの切ない戯曲にもんどり打って立ち向かった記憶があります。
 いつかまた何かしらの形でこの作品を再び中山さんに演出してもらいたいことだなあと夢想しておりましたが、そろそろだろうと昨年の初めあたりからちょっとずつ考えを巡らせてきました。とにかく私も客席から観てみたいなと。それが発端。そして今や我々の劇団には若手(といっても日々加齢していくのでビビります。こないだ23歳だと思っていた祥太郎がもう25歳…)もいるんだ。ただちょっとそのまま劇団の中だけでやるのでいいのかしらんとアマノジャクな私は考えてしまったのです。
 劇団って油断していると閉ざされがちだなという実感もこの3年で感じておりました。もちろんいずれ完全自給自足公演なんかもしたいのだけれど、とにかく扉は開きっぱなしにしたいと思い、久しぶりに客演をお招きすることに致しました。しかも中山祐一朗が大変懇意にさせてもらっているヨーロッパ企画の中心メンバーである本多力さんと土佐和成さんに声を掛けさせてもらい、ご出演ご快諾いただきました。いやあ、嬉しい。とっても嬉しいです。京都で独自の世界を切り開いたクリエーター集団でもあるヨーロッパ企画のお話を我々向学のため様々聞かせて頂きたい。どうにもコロナな時代ではありますが。
 そう、コロナでもうこちとら半年準備期間をもって行かれましたわ。中止覚悟した時もありました。それでもやるってことにしました。だって観たいんですもの。それほどに中山祐一朗のこの『ともだちが来た』というお芝居に対する情熱はすごいのです。
 感染症対策取りながらの稽古は険しい。いつものように白米炊いて皆でテーブル囲んだり、子供達が駆け回ったり、ちょっと稽古の後に一杯なんてのも出来ません。うがい、手洗い、消毒、PCR検査、色々面倒ですが…やるんです。観たさが勝りました。
 小さな劇場ですが、劇団員一丸となって感染症対策に取り組みつつ臨みたいと思っております。
 観たいけど心配だというお客様のためにはライブ配信もご用意致します。新ロイヤル大衆舎というチームで今年の6月に朗読配信をして少しやり方も見えてきたので。もちろん是非とも劇場にお越しいただきたいのですが、配信もやります。AチームBチーム共に初日にやります。緊張しますねえー。初日の配信って絶対面白いですよ。
 12月3日(木)19時半と12月4日(金)19時半の2回。どちらも終演後のポストパフォーマンストークまで配信します。お値段は3000円で、アーカイブは24時間を予定しております。詳しい試聴方法はまた追って発表致します。
 この人類史上空前のパンデミックの中、演劇文化の豊かさを発信し続けられるよう、お客様と、そして今回はヨーロッパ企画のお二人と、そしてそして下北沢の小劇場B1のみなさまと共に乗り切ってゆきたい所存でございます。引き続きご贔屓のほど宜しくお願い申し上げます。
 

阿佐ヶ谷スパイダース主宰 長塚圭史