第12回あさすぱ談義

2007

伊達
2007年は「少女とガソリン」。「日本の女」「はたらくおとこ」に続く男たちの暴走シリーズ第3弾です。この辺まで来るともう昨日のことのようですが10年以上前なんだね、恐ろしいわ。
 

 

 
伊達
スズナリを真っ赤に染めたこの芝居、昨今ではまずお目にかかれない星取表です。
 

 

これまた、チラシがカッコいいですね!
 
中山
森君違う違う、注目すべきは星取り表だよ!
よく怪我やリタイアする人出なかったよね〜
 
中山
こんだけやっても、本多劇場で11日間やった「はたらくおとこ(初演)」に観客数は届かないのでまぁ仕方がないところではあったのだけど‥
そして、どうしてももう一回スズナリに戻って公演したかった三人の思いを叶えた結果だしね〜
 

あの表が星取表という名前だと初めて知りました!
ほとんど一ヶ月近い、スゴイ公演ですね!!
 
伊達
37ステ、休演日なし!日曜ソワレも最近は珍しいしね。
 
中山
俺たちいいけど、客演のイヌ子さんにはとても申し訳なかったな〜
 

休演日なしはかなり怖いですね…。
作品の内容としても、ハードなものだったのですか??
 
伊達
初めは休みあったんだけど、追加とかで結果的にああなった。
 
中山
もしハードじゃなくてもハードにしちゃう感じなのよ
いかにめちゃくちゃやるかっていう‥
 
伊達
いい表現(笑)2時間越えてたし。
 

"ハードにしちゃう感じ"    グッとくる言葉ですね笑 連鎖的にどんどんハイになっていくみたいなリズムが。その内容であの公演日程は、苛烈ですね…
 
木村
休演日なしですか!!
それが出来てしまうみなさんの体力が恐ろしいです…
でも私も一生に一回くらいはやってみたい!!(笑)
 
伊達
ぜひやってください!
でも今だと役者のことを考えて、そんなスケジュールは制作が立てないでしょまず。あとは休演日返上しないといけないくらいの集客が前提だし。
 
中山
今子供のスイミング参観中にとなりの知らないお母さんも携帯で星取り表見てるので、この人も芝居観にいくのかな?もしくわ関係者?とか思ってたら
病院の午前午後やってるか○で見る表で診療時間調べてるだけだったわ‥
 
伊達
( ´∀`)あるねー。昔電車で隣に座った女子高生が台本見てて、演劇部に違いないと勇気をもって話しかけたことあるわ。お芝居来ませんかって。超ドキドキした。
 
中山
ナンパじゃん。。
 
伊達
そうだね。確か観に来てくれたような。あの頃は道行く人みんなくればいいのにと思ってた。今は恥ずかしくてできないや、っていうか怪しいおじさんだね。
 

 
伊達
確かにそれっぽいね。 強気の星取りだね。土日はやんないんだね。
 
中山
伊達の新感線みたいだね、週休3日で演劇生活
 
伊達
本当だ!月水土だったよ、週休4日。
 
木村
伊達さんナンパですね。。。!
しかし新感線本番は本当にハードそうでしたね!
 
伊達
役者は隔日だったけど、制作さん、スタッフさんが連日でしんどそうでした。体力的なものより、稽古を含めたら半年間、怪我や病気、旅行、激しめのスポーツができないという制約がしんどかったかな。
森くん、木村さんはスズナリはやったことあるの?
 
中山
っていうかスズナリで何か観たことあるかも聞きたいな、昨日山内圭哉と猫のホテル観たんだけど「アゴラ初めて」って言ってた。
 

スズナリは何度か観に行ったことはありますが、公演したことはないです。
確かにアゴラ劇場に山内圭哉さんはいなさそうです笑
 
伊達
「少女とガソリン」の時はスズナリを芝居のカラーである赤でいろいろ装飾したんだよね。廊下とかに赤いパンチカーペットを敷いたり。
事件と言えば大雨で楽屋通路の雨どいが決壊して水浸しになったり。みんなでバケツリレーして水を掻き出して。電気がダメになって照明が使えず、電気屋呼んで開演時間遅らせ、半分くらい復旧した照明で本番やったね。
 
富岡
パンフレットが新聞紙で、そのまんま新聞みたいになってたよ。
 
伊達
そうそう、何か、革命みたいな、労働運動みたいな、新聞の号外みたいな感じね全体的に。
 

事件だらけですね!チラシのロシアっぽさや、テーマカラーの赤、新聞のようなパンフレット、内容も革命や労働の話だったのですか??
 
伊達
■ものがたり
かつては清酒の産地として栄えたとある街。 しかし今はどの工場も閉鎖されてしまった。 再開発の波に抗いながら生きる酒を愛する男たち。 彼らが唯一の救いとして慕うのが、人気アイドルSであった。 そんなある日、街の再開発のイベントにアイドルSがやって来るらしいという情報が舞い込み…。 愛する街と酒のため、アイドルソングに乗せて男たちの暴走が始まる!
 

全然イメージと違いました!!笑
アイドルS…
 
伊達
廃れた酒蔵の親父がまことさんで、再開発の偉い人がイヌ子さん。実はアイドルは二人の娘という展開です。ガソリンとは酒であり、男たちの暴走の燃料でもある。
 

愛する酒と街のために、アイドルソングに乗せて暴走する男たち…
なるほど「ハードにしちゃう感じ」がぼんやり見えてきた気がします。
 
木村
スズナリに出たことはないです!!
真っ赤なスズナリは印象的でいいですね!
少女とガソリン、タイトルですごく観てみたいってずっと思っていたんです。話聞いたらますます観たくなりました。
 
伊達
あ、ほんと?あとは特攻野郎Aチームみたく爆弾仕掛けてアイドル拉致しようとしたり、俺はチェーンソーで片腕切られたり、バタバタです。
 

特攻野郎Aチーム最高ですね。
チェーンソー!  
うわあ観たいです!!
 
伊達
そして伊藤ヨタローさんの作詞作曲でアイドルソングを振りつきで歌ってました。
チェーンソーでやられたのに次のシーンから普通に片腕で会話に参加してて誰も突っ込まないあたりが、当時のアサスパらしさとも言えるかも。
 

チェーンソーでやられたときは血のりとか使ったんですか??
 
伊達
カウンターの中で切られ、叫びながら早替えで片腕の仕掛けを装着してたかな確か。血のりはスタッフさんが飛ばしてたかも。
 
木村
うわー、過激ですね、勢いが凄い!
 

片腕の仕掛け!!
どうなってたのか気になります。。
 

 
伊達
本物の手はズボンに突っ込んでます。
 

分かりやすい上にカワイイ!
なるほど、右腕をやられたのですね。確かに、これだと腕にも負担かからず良いですね。ずっと曲げてるとかよりも!
 
伊達
曲げるとねー、まあ衣裳によるけど、わりと曲げてるのバレちゃうんだよね。
 

やっぱり身体に影響でてきちゃうんですね、腕を曲げてると。ちなみにチェーンソーはどうしたんですか?
 
伊達
そうそう。チェーンソーは刃は無くて、コンセントに挿してモーター音だけだったかな。
 

おおお、、一度でいいからそういうシーンに絡みたいです。
 
伊達
無隣館にチェーンソー出なそうだね。今後のアサスパで是非そういうのに絡んでほしいです。
 

次の舞台で大きなリクガメと競演することになりました。穏やかです。
ぜひ今後、チェーンソー系に絡んでいきたいです!「少女とガソリン」では乗り物は出てこなかったんですか?
 
伊達
出てこなかったー。カメいいね、可愛い。
 
中山
グローブ座では本物のバイク使って排気ガスの匂いがそのまましたのを覚えてるから、チェーンソーもそんな感じになるのかと思っていたら電気だし刃も落としてるので、ついにスパイダースも大人になったのね〜って思ってたよ。
僕の出身の明治大学系って言われてたグループは本当に子供のまま暴走してた演劇やってて、山田伊玖磨さんはチェーンソーがあって血のりを忘れた事があった時ふつうにチェーンソーに指当てて血出してたからね〜
 
伊達
アホだね(誉めてる)。おれ舞台で初めて観た全裸はイクマさんだわ。羽つけて天使やってた。
 
木村
ええー!!チェーンソーに指当てるって!演劇やっている方って本当にぶっ飛んでいる方多いんですね。恐ろしいですね。
全裸って、あの、本当の全裸ですか?
 
伊達
そうだよ。羽はつけてるけどパンツははいてないよ。天使だからね。
 
木村
リアル天使ですか…
 

本物の刃をつけてるのもすごいし、実際に出血させるのも、凄みを感じます。本物の血は怖いなあ。しかもお客さんに血って認識される量を出してたわけですもんね…。
大人の天使も全裸でしたっけ? いま僕の頭の中では、全裸で羽をつけて血だらけの、チェーンソーを持った山田さんが組み上がっています。
 
伊達
目に浮かぶわ。
さてさて、アサスパはこの「少女とガソリン」を区切りに、2008年からはちょっと毛色の違った作品づくりをしていくことになります。