第9回あさすぱ談義

2004

伊達
さて、2004年まずは、2016年の再演も記憶に新しい『はたらくおとこ』です。『日本の女』のメンズが再結集して、なんとなく「暴走する男たちシリーズ」第2弾として本多劇場に登場しました。雪の東北でリンゴ栽培を夢見るおっさんたちの話です。
 
木村
恥ずかしながら脚本しか読めてないんですけど、、、
めっちゃくちゃ面白かった!!!!図書館で読みましたけど人目がどんどん気にならなくなっちゃって笑いましたし泣きましたし、、、
 

 

 

 

 
木村
中山さん脚ステキですねえ、、、
 
伊達
14年前だよ。変わんないねー中山さん。脚本だけだと、1枚目のまことさん何やってるかわかんないでしょ?
 
木村
まったく!というかまことさんかどうかも分かりません(笑)
 
中山
でも、こないだの再演では伊達と中山だけアンチエイジング対策というのでメイクさせられてたよ〜
 
伊達
工場に持ち込まれた謎の液体を農薬ではないと言い張るまことさん。トミーにじゃあ飲んでみろと言われて引っ込みがつかなくなって飲もうとするまことさんです。もちろん農薬なのはお客さんは知ってます。
そうだっけ?あ、中山さんどうせ汗で落ちちゃうから気持ちだけちょいメイクしてたかも。
 

これ、写真がどれも素晴らしいですね!  是非とも映像観てみたいです!!
 
木村
アンチエイジング対策!?
 

アンチエイジング対策、確かに気になる。笑
 
伊達
要はまことさんや成志さんはリアルに50超えて、劇の設定のくたびれたおじさんに近づいたんだけど、中山さんと俺は若い兄弟の設定で、当時はよかったんだけど、再演時は40超えちゃってたので、メイクでごまかそうという話。
 

なるほど、それはすごいですね。12年越しに同じ作品に向き合うということの奥行きというか…。
 
伊達
そうだね。なかなかそんな体験できないし、セリフもほぼまんまやったけど、2011年に震災があったので、観る側の捉え方もずいぶん違ったんじゃないかな〜。
 

あ、そうですよね。
東北の農家というだけで、見え方が変わってきますもんね。 セリフの変更などで、震災への言及などありましたか?
 
伊達
劇中に出てくる産業廃棄物らしきものを核廃棄物と容易に結びつけます。特に福島後は。劇では得体のしれないものとして限定はしませんが。だからセリフの変更というよりも、廃棄物をより切実なものとしてイメージしたんだと思います。
 

現実の出来事によって作品の見え方や意味が変わっていくのは、とても興味深いですね。
ちなみに、写真にも映ってますが、あれはISUZUのトラックですか?
 
伊達
そう。前田愛くん(僕の役名)が廃棄物積んで突っ込んでくるやつ。劇冒頭でトラックを運転する愛くんが映像で流れ、中盤でそれが実際に突っ込んできます。
初演の最終地が新潟だったんだけど、終わったら東京に持って帰んないで 新潟で廃棄するってんで悲しかった。思い入れのある小道具だったから。再演時は別のトラックをまた用意してもらいました。
 

舞台を観てるときにこういう実物の車両が出てくるとワクワクします。あれはエンジンついてて走れる状態なんだろうか?とか気になります。
 
伊達
トラックのヘッドだけで、エンジンやシート下はくりぬいてます。後からトラック内から人出るので舞台裏から入れるように。タイヤも固定で、別の仕掛けでガイド上を動きます。じゃないと突っ込んだとき毎回位置変わって危ないから。
 

なるほど! そうなんですね、ってそれはそうですよね。こないだお聞きした原付バイクとはワケが違いますもんね。
しかし、トラックの搬入はどうされたんですか?
 
伊達
あ、搬入見せたいわ実際。トラックの荷台にトラックの頭だけ入ってるの。搬入のとき、あまりにすごい絵なので写メしたかったけど、スタッフさん真剣なので撮る勇気なかったわ。
 

それはめちゃくちゃ見てみたいです。
 

 

おっー!ありがとうございます!
これ実際に見たらワケ分からなくなりそうですね。道で見かけたら 「何ですがコレ」って聞いてしまうと思います。
 
伊達
本多の場合、これをSEIYU前のせっまーい道で11tトラックでやってるからね。
 
木村
日常では絶対にありえない光景ですね。しかしセットも大道具も本当凝ってますね。
11tトラック!かなりの大きさ!
 
伊達
SEIYU じゃなくてオオゼキだったどうでもいいけど。
 

また話もどるんですが、1枚目の叫んでるお姿、完璧ですね。絵文字のような叫び顔と言いますか。
 
伊達
しゃあああ!!と言ってます。
 
木村
わたしもいつかこんなふうに叫べたら。
 

(゚Д゚)
↑こういう絵文字の表情というか、こんな完成度の高い叫びの表情を初めて見た気がします。
 

(`Д´ )こっちですかね。
口の形がスゴイ。
 

 
木村
ドアップだあ!
 

しゃあああ!(`Д´ )
 
伊達
そして2004年はもう一つありまして、今までアサスパの公演としてはカウントしてなかったんだけど、『はたらくおとこ』の時に作った20周年パンフでは載ってたのが『真昼のビッチ』です。ヴィレッジが制作なのでカウントしてなかったのね。
これシアターアプルって今は無き歌舞伎町の劇場なんだけど、森くんたちは行ったことないよね。 北島三郎とかが座長公演やるコマ劇場の地下にあったんだけど、コマももう無いね。
他社の制作なので舞台写真は無いです残念ながら。
 

このポスターも凄いですね。カブ。
コマ劇場は何度か行ったことありますが、シアターアプルはないです。
この作品も本物のバイクが舞台上に出てきたのですか?
 
伊達
バイクは出ないけど、路面電車が出たよ。本物じゃないけど。袖から電車に乗って出てきて、ちゃんとドアが開いて降車したよ。 コマは演歌見たの?
 

路面電車! 毎度毎度言ってしまってますが、とても観たい…。
コマ劇場には友人にチケットもらって、アイドルが出ていたミュージカルらしきものを観に行った気がします。コマ劇場の雰囲気はすごく覚えているのですが、内容が全く記憶にないです。
 
伊達
そういえばコマ劇閉館以来、歌舞伎町行ってないな〜と思ってGoogleマップでビューしてみたらびびった。ゴジラビルっていう映画館になったのね。
 

そうなんですよ。そこそこの大きさのゴジラがいます。あのビルを上がると、テラスみたいなのがありまして、ゴジラの顔のすぐ近くまで行けます。
 

 

 
伊達
全然知らなかったわ〜!こんな高いビルになったんだ。
2015年にできたのね。
 

 
伊達
記憶がここで止まってるわ。
 

たまにほえてた気がします。2015年なんですか、そう考えるとかなり新しいんですね。
コマ劇場があった時はまだ、歌舞伎町に行くの緊張してたような記憶があります。
 
伊達
昔はあの辺、ミラノ座とかも映画館あって学生時代よく行ったけど、確かに客引きとか風俗とか多いもんね。
 

中学くらいの頃、歌舞伎町を再現した「龍が如く」っていうゲームをやってて、それが歩いてるだけでチンピラに絡まれるゲームだったので、初めて行った時は緊張しました。コマ劇場の前の広場とか、危険な雰囲気ありませんでしたか?
 
伊達
俺はその頃、新宿でターミネーター2観て、終わったあと街中で無敵の気分で歩いてた。あるね危険な匂い。黒い人たちの大名行列とか銃声聞いたことあるよ。ここね、広場。
 

 

いいエピソードですね、高倉健の映画を観た後みんな渋い顔してるみたいな。
銃声…まさに「龍が如く」の世界…。
これです!この広場! 写真からもどこか鬱屈した空気が漂ってきますね。 作品の内容は歌舞伎町と関係なかったのですか?
 
伊達
架空の歓楽街に娼婦とか地上げ屋とかだから歌舞伎町っぽいかもね。
 

そもそもコマ劇場の地下の劇場というのがカッコ良すぎますね。その劇場で観たかったです…。 その公演で、歌舞伎町らしいエピソードなどありますか?
 
伊達
なんかあったかな〜。コマと楽屋口が一緒で中が入り組んでてコマの床山さんに迷い込んだりしたな。カツラが置いてある所ね。演歌のリハが聞こえてきたり。
 
木村
コマ劇はわたしも閉館くらいのときにギリギリ行きました。効果音とかバンバン鳴るような時代劇でしたね。12、3歳だったと思うんですけどめちゃめちゃ歌舞伎町怖かったです。道中タバコの匂いがしていて!銃声は笑えないですね…(笑)
 
伊達
そん時は確か中国人の発砲事件だったかな。いろいろあったよね、雑居ビル火災とか。
 
木村
そうなんですね…ちょっと考えられない怖さなんですけど(笑)、でもコマ劇やあの辺りはどうしたってカッコいいなって。
花園神社やゴールデン街もあるし、色んな雰囲気が雑多にあって面白いです。
 
伊達
ミラノ座跡地も2022年にはシネコンと高層ビルになるみたいで、良くも悪くも健全になってきたね。
 

ああいう、ちょっとドキドキするような場所がなくなっていくのは寂しいですね。
 
伊達
オリンピックですから。今、国立競技場も新しいの建設中で、旧国立競技場はサッカー部の私には聖地だったので寂しいね。森くんアイスホッケーだっけ?すごいね。平昌は盛り上がった?
 

国立競技場は僕も寂しかったです。伝説の場所が消えていくのは切ないですよね。
はい、僕はアイスホッケーです!  平昌はなんだかんだで結構観て、盛り上がりました!  アイスホッケーは冬のオリンピックの大トリで、アイスホッケーの決勝が終わってから閉会式なんですけど、今回も色々とドラマがあって興奮しました。 オリンピックは何か、ご覧になりましたか?
 
伊達
全く。冬季といえば原田の「船木〜」で止まってます。アイスホッケー憧れです。スケート行くと靴はホッケー借りる。どこのスケート場行っても必ず一人、ガリガリ氷削ってステップ切ってるホッケーの人いるでしょ?もちろんマイシューズの。あれが憧れ。 猛ダッシュからのエッジ効かせてガリッって止まるやつ、あれやりたい。
 

原田さんの印象強すぎますもんね、分かります。笑
ホッケーの靴で滑ってるんですね、何か、嬉しいです!
そしてかなり観察されてますね! ぜひ今度、一緒に行きましょう!
 
伊達
やったー!でも今ね、どこのリンクもやばいみたいよ。スケート教室とか。ゆずる効果で。
 

あ、そういえば、いま最も混むタイミングですね。
神宮外苑のリンクは氷も綺麗ですし、オススメですよ!  ちょうど、旧国立競技場のすぐ近くです!
 
伊達
よく行くのはね東伏見のダイドー。ホッケーさあ、タックルありなの?氷上の格闘技じゃん。あの玉を持ってる人ならぶつかっていいの?
 

東伏見は公式戦をやれる場所なので、とてもいい環境です。
男子はありなんです。 肘でやっちゃダメとか、背後からはダメとか細かいルールはあるんですが、基本OKです。
なので、ケガが絶えません…。
しかも玉(パック)やスティックが顔に当たることもあるので、よく歯が折れます。
 
伊達
だよね。こわっ。もうこの歳じゃ無理だわ。ゴールキーパーってでかいと有利だよね。他は?タックルありならガタイ大事か。サッカーは165センチとか普通だし。基本ぶつかると反則だから。
 
木村
危ない競技なんですねえ!森くんよくやってたなあ。
たくましいんですね!
 

でも、ノーチェック(タックルなし)の団体やリーグもありますから、サッカー経験者の方などは、すぐに出来ると思いますよ!
平昌で金メダルとったロシアのキーパーは身長2mの上に技術もあって、まさに鉄壁でした。 危ない競技なんですが、本当に面白いです!!
 
伊達
この話永遠にできるのでこの辺で。脱線ばかりですいませんが、次回『悪魔の唄』です!