第8回あさすぱ談義

2003

伊達
2003年の『みつばち』はアサスパ初の時代劇です。東京はスペースゼロに荒廃した村のセットを建て込み、普段着慣れない和服を着て、殺陣やいろんな仕掛けもあり盛りだくさんでした。
 

 

 

 

 

 

おお、スゴイ。ガッチリ時代劇ですね。
天井に張り付いていらっしゃるのが、みつばちですか?
 
伊達
そうそう。村を病人から隔離するため結構な高さの壁に囲われてて、その壁の上の方にトミーくっついてたわ。
森くんなんかは和ものやりたいんじゃない?
 

壁にひっついてるミツバチ、カワイイですね。
はい、是非やってみたいです!
 
木村
みなさん衣装めちゃくちゃお似合いですね。
2枚目の写真は、圭史さんですか?お若い!!
 
伊達
そう。27くらいかな。衣裳は時代ものだと特に思うけど、稽古場では浴衣みたいのでやるんだけど、やっぱ本番の衣裳は着てみないといろいろ勝手がわかんないのよね。動きづらさとか。かつらもあるし。俺、ずっとキャラとか悩んでたけど、着物とまげ装着したら即ピンと来たもん。形から入るやつね。ない?そういうの。
 
木村
あります、あります。幼い頃にやらせていただいた『赤毛のアン』は、赤毛に三つ編みにしてやっと気持ちが入りました(笑)
 
伊達
そうなんだよね。舞台セットもそうだけど、劇場入ってみないとわからないこと多いし、2階舞台とか稽古場では組めなくて「あるつもり」でやるでしょ、テープでバミって。木村さんは時代劇はやったりするの?
 
木村
そうですね!実際のセットが思ってたのと全然違っていたりして。
でもその、自分の想像力で背景を補って稽古している時間が長い方が、苦労はするけど好きです。セットが来た時の感動と深みが増す気がして。
全くないんです!ワークショップの教材で時代劇の台本を使ったくらい!!
 
伊達
これからアサスパでもよそでも絶対やるチャンスあるよ!でも時代劇の場合、女の人の役が町人とか遊女ばかりで出番がないのが悔しい、ってバリバリ殺陣やりたい女優さんが言ってたことある。
 
木村
時代劇本当にやってみたいです! やっぱり日本独特の感覚だから、惹かれますね。
たしかに、、、
わたしは舞台の『あずみ』を子供の頃見て惚れ惚れしたので、女剣士は永遠の憧れですね。
 
伊達
誰があずみやった時?
 
木村
女剣士?女刺客ですね、正確には。
黒木メイサさんです! 生田斗真さんが、うきはの役で!
 
伊達
2006年だね。最近も岡村さん演出の『あずみ戦国編』やってたね。そん時のうきはがドクロ城の天魔王の鈴木くんだよ。
でも闘う女ってあずみくらいだね。あとは忍者か。
 
木村
やってましたね!
わ、そうだったんですか。普段の写真も拝見しましたが、雰囲気全然違いますよね。月並みですけど、役者さんってやっぱりすごい。
水戸黄門のお銀さん大好きでした。忍者ですよね!
 
伊達
好きだったらいつかやったらいいよ女剣士でもくノ一でも。
 
木村
わ!!!はい!
ちと髑髏城の七人を見たのもあって触発されたので、殺陣を習いに行きます(`_´)ゞ
 
伊達
おー、いいね。楽しみ!
 
木村
はい!!鍛えてきます!
 
伊達
そんなこんなで初の時代劇を終え、2003年はもう一つ『ともだちが来た』がありました。大人数の『みつばち』とは真逆で、スズナリ二人芝居、演出は中山さんです。
作は鈴江さん、OMSの戯曲大賞を取った作品で、一度吹越さんと中山さんで演じられたものをアサスパで改めて作品化しました。
 

 
富岡
好きだったなあ…ふたりのともだちが来た
 
伊達
まじ?嬉しいわ。何が印象的だったの?
俺はいろいろあるんだけど、やっぱり最後の柿の木の照明が忘れられない。
 
富岡
鈴江さんの脚本が、ちょうどあの頃の3人と合ってたんだと思う!
 
伊達
実際に同級生だしね俺ら。
 

 

 
富岡
おれはスズナリによかれと思ってケータリングとして持って行ったカレーを、上演中にあたためて、その匂いがいい場面で劇場全体に立ち込めて、問題を起こした思い出が(笑)
自分で作ってペットボトルに詰めて持って行ったカレー。演出家中山さんにすごく怒られた。
 
伊達
ペットボトルに入るのカレー!?見たことないよ。中山さん、あの作品への思い強いから、カレー臭はアウトだったんだね。
 
富岡
ジョウゴを使えば入るよ。
 
伊達
ジョウゴ欲しいんだよね。今欲しいキッチン雑貨ナンバー1。青のりを小瓶に詰め替えるのにないからイライラする。
柿の照明は言葉で説明しにくいんだけど、劇場の一番奥高いとこに照明を吊って、手前の柿の木に当てると部屋に木の影が差し込むでしょ。照明が上下(かみしも)にレールで移動するようになってて、本番照らしながらそれを人力で動かすと影も生き物みたいにうにょーんって動くのさ。
 
中山
あれっ?カレー怒ったの圭史じゃない?
なんでかっていうとあの時たまに終演後俺とトミーで演った番外編『ともだちがきた』の作演は圭史で‥
カレー事件がきっかけで三回やる予定だったのがトミーへのお仕置きっていう圭史の判断で二回で打ち切りになった記憶がある!
 
富岡
そうだっけ?
お客さんのアンケートで「途中、カレーのいい香りがして、それも含めてよかったです」みたいなのあったの。一人暮らしの部屋の設定だったから、なんか演出と思われた!
 

カレーエピソード最高ですね。笑
 
中山
そのポジティブ記憶は俺には全くないわ(笑)
柿の木をラスト部屋の壁に裏からあてた照明で透かしたいから
部屋の壁をベニヤじゃなくてわざわざ布で作ったんだよ
ちょっと舞台が揺れるとそれがバレちゃうのに、伊達ちんと圭史は喧嘩のシーンをガンガン壁にあたりながら演ってくれてたんだよ(笑)
 
伊達
あ、そっか布だったんだ。実際その照明の時は舞台裏にいたから正面から見てみたかったなー。剣道で対決とかのシーンあったよね。中山さんは昔剣道やってたし、俺らも高校で必修だったから懐かしかった。
 

 
中山
アサスパ人気絶頂だったから1日三回公演の日もあったんだよ(笑)
先ず伊達ちんにOKもらってその後圭史に確認したら「伊達が出来るっていうなら俺もやるよ」で決まったんだよ(笑)
 
伊達
90分だから3回いけるでしょ、と容易にオッケーしたら、出ずっぱ90分だったというね。
 
中山
しかも、最初は上演時間60分だからいける?ってふたりに交渉したんだよ(笑)
 
木村
すごく自由なエピソードばかりですね(笑)
 
伊達
圭史そんとき外国だったよね。
 
中山
そうフランス!
圭史のおもしろ話に、『東京タワー』どこ(どのシーン)で泣いた?って質問に
「シャルルドゴール空港」って読んで泣いた場所答えちゃって、しかもかっこ良すぎるだろっていうやつが、あるよ(笑)
 
伊達
旅行のお供に持ってったのね(笑)
自由なエピソードといえばいろいろあるけど、中山さんのボテに財布入れちゃってトランポ呼び戻し事件とかね。
 
中山
財布を入れてた劇場のロッカーの鍵だね〜
財布だったらまだ良かったけど、その劇場のロッカーの鍵だったからトラック帰って来てもらってまた少し荷物おろして‥ってやつね(笑)
俺のボテがわりと手前に積まれてたから良かったけど‥奥だったら全部おろさなくちゃで大変な事になるところだったのよ‥
 
伊達
そうだよ。大阪近鉄劇場からトラックは発車して次の公演地に向かってたからね。
 
中山
その時もアサスパ大人気だったから出待ちしてもらってる100人位のファンの人達に囲まれてトラックからボテを探し出す事になって凄く恥ずかしかったんだよ(笑)
 
木村
ひどいひどい(笑)
ファンにとってはサービスタイムですね(笑)
 
中山
あの時のファンの方々みんな結婚して子育てとかしてるのかな?
「子育て入るのでもうこれが最後になります」っ待っててくれた娘印象的だな〜
 
伊達
もうあれから15年経つから子育て落ち着いてまた観に来てほしいね。
 
木村
たしかに、舞台ってリアルタイムで見るから、あの時ああしてたなあとか自分の人生と並行して思い出に残りますもんね。舞台出続けるって面白いですねえ。