坂本慶介をご紹介します。
今回Aバージョンで「私」を演じます。私も17年前に演じさせてもらった役です。なので、やっぱり、どんな感じでやるんだろうと、ちょっとニヤニヤしながら、悪い感じで見ています。劇団の後輩ですから余計にそういう見方をしてしまいますね。慶介は休憩時間、子供達と遊んだり、一人でサッカーをしていることが多い。台本読んでるところはあんまり見ないのは、多分千葉在住なので、電車の中で大体のことは済ましているんだろうな。今回はヨーロッパ企画の本多力さんにとっても可愛がってもらっています。二人芝居ということもあって、そして子供達も今回はいないということもあって、あといつもは稽古場に必ずあるボールもないので、ひたすら芝居と向き合っています。何かしら緑のものを身につけながら。彼は緑に異様に執着してます。それもちょっと蛍光がかった、黄緑っぽいのが好みみたいで、目にするとニヤッと笑います。ちょっと狂った感じがします。普段あまり群れない慶介が、相手役の本多力さんからピッタリ離れない様は、なんだか微笑ましく、いい先輩とお芝居が出来て、幸せそうです。慶介を笑わせたかったら蛍光気味の緑をかざしてください。ちょっと口元が緩むはずです。 

 
 

 
本多力くん(ヨーロッパ企画)を紹介します。
Aバージョンで「友」を演じます。17年前に伊達暁が演じた役です。本多くんはやっぱり経験値が高いので、読み解くのが難しいともいわれるこの芝居を軽やかに砕いてゆき、ユーモアたっぷりの『ともだちが来た』を慶介と共に築き上げてくれています。それにしても慶介に優しい。きっとこの稽古中に阿佐ヶ谷スパイダースの誰も知らないような慶介の一面をたくさん見ているだろうなと思います。付き合っているのかと疑いたくなるほどです。本多くん、本当にいつも穏やかで優しいからな。ありがとうございます。でも本多くんの中身はそれなりにダークなんだと思うんですね。そこが魅力です。ダークを隠し持つのに穏やかな。あくまでも私の観察で実際ダークな面なんてないのかもしれません。ひょっとするとこんなマスクの時代だからこそそう感じるのかもしれません。目の下がすっぽり覆われていますでしょ。その上に光るあの目は何を観察しているのだろう。そう思わせる目です。ダークな瞳ともいう。穏やかで、ダークな、瞳だな。
 

 
 

 
土佐和成くん(ヨーロッパ企画)を紹介します。
土佐くんはBバージョンで「私」を演じます。17年前に演じさせてもらった私としてはやっぱり同世代ということもあって軽いライバル心を抱いたような状態で見ます。で、17年前に自分が出来なかったことを思い返して泣いたりしながら見ています(泣いたりしてるのはウソです)。土佐くんには誕生日にみんなで手袋とか色々プレゼントしたこともあって、僕らのことをいい人たちだと認識してくれている可能性が高いです。入り口にそういうことで油断をさせたんですね。なんとなく突っ込みたくなるんです土佐くん。そういうところがはあります。甘噛みとかすると猛然と突っ込みたくなります。何かしら私の中のS心をくすぐるのかもしれません。あとヨーロッパ企画の配信番組『本多、すべてのバーで』に出演したときに、ヨーグルト片手にずうっとニコニコしたままでなんかおじいちゃんみたいだったんですね。そこも突っ込みたかったです。そんな突っ込みたくなる土佐くん演じる「私」はなんとも哀愁漂います。面白い錯覚が起こりそうでワクワクします。
 

 
 

 
森一生を紹介します。
Bバージョンで「友」を演じます。演出の中山祐一朗がすぐに「友」役に一生を思ったと聞きます。ちょっと切長な目と淡白な顔立ちは友達少なそうな雰囲気があります。でもそこそこ友達多いっぽい。「僕の友達に~」みたいなこともよく聞きますから。だから友達多いんだと思うんです。でも深入りせず、ひらりひらりと世を渡るような身軽さがある。一生はいつも自転車でかなりの距離を走って稽古場へ来ます。それによってなのか肉体はそれなりにムキムキしてます。なんでしょう、そういう自転車で長く走る事実も「友」っぽいのかもしれません。夏はピッチピチの短パンなところも、別に本番の「友」はピッチピチの短パンではないけれど、そこはかとなく「友」っぽい。あとよくふざけていると若い劇団員から聞きますが、どうしてか私はそれを見たことがない。先輩らに見えないところでふざけている。これはあまり「友」っぽくないところです。